研究内容
高機能
VecTwin舵
Hi-performance VecTwin rudder
ジャパンハムワージ株式会社との共同研究
通常の1軸1舵の船とは異なり、VecTwinシステムではプロペラの後ろに大角度まで動かすことができる2枚の舵が設置されています。このようなThrust Vectoring(推力偏向)機構によりあらゆる操船が可能となり、自動運航がより容易になると考えられています。
(ジャパンハムワージ株式会社との共同研究)
大阪大学実験池では、VecTwin舵を用いた研究を実施しています。特殊操舵能力を生かした自動着桟試験も実施しています。
本研究室では、高機能舵に関するいくつもの研究を実施しています。
最新の模型船には可変ピッチプロペラが搭載されています。これにより、操船の幅がさらに広がります。船舶知能化領域では、このようなシステムを持つ船の定点保持システム( DPS :ダイナミックポジショニングシステム)の開発にも成功しています。
高度な自動離着桟技術
高機能VecTwin舵を用いると自動離着桟を容易に行うことができます。これは日本財団無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一つとして行われた実験動画です。入船・出船の着桟が、なんと固定ピッチプロペラでかつそのプロペラ回転数を一定の条件で行えています。この実験では強化学習により獲得された制御則が用いられていますが、他の制御則でも同様に着桟が可能です。
高機能舵の流体特性の把握と設計への応用
二つの舵をピタリと閉じた「クラムシェル」と言われる条件では、舵が大きなブレーキとして作用します。これがVecTwin舵の大きな特徴ですが、この場合、以下の図のように舵の背面で大きく流れが剥離します。
舵の圧力も時間的に変動します。
このような計算により、より性能の高い舵の設計法について研究をしています。
デジタルツインにCFDを利用
低速操縦時の舵周りの流場は特に複雑です。自動着桟制御に用いる特殊舵船の運動モデリングは大変難しい問題でした。この研究室ではモデリングのために、CFDを用いています。
このようなCFD計算にさらに人工知能(機械学習)を組み合わせることで、これまでよりも格段に高精度なデジタルツイン=動的モデルを作成することが目標です。