コース紹介・MessageCorse・メッセージ・育成人材像
Messageメッセージ・育成人材像
未来世界では人は地球と上手に共生することが求められます。
全球の7割を占め、世界と繋がる海洋の役割はとても大きなものです。
近い未来、水素やアンモニアが産業や生活の基盤となるゼロエミッション社会を迎えます。これらの新型燃料の大元は石油・ガスですが、洋上風力発電などの再生可能エネルギーが徐々に代替するでしょう。いずれも海が舞台となるのです。また、水素やアンモニアを含む物資の輸入には、究極の省エネルギー輸送機関である船舶を用いた海上輸送が担うこととなります。海上輸送技術に電気推進技術や無人化技術も加わり、ビッグデータやIoT技術との融合を通し、海上輸送技術は一層効率的でエミッションゼロの輸送システムとなるでしょう。さらに、二酸化炭素の海洋隔離技術、水産資源、海底鉱物資源、極域利用も持続可能な社会の実現のために必要となることでしょう。
地球と人がもっとうまく共生する未来世界とそれを支える海の工学を一緒に作ってきませんか。
コースの紹介
船舶海洋工学コースは現在、地球総合工学専攻・学科に配置されています。同専攻・学科は、船舶海洋工学、社会基盤工学、建築工学を統合化し設置されたものです。地球総合工学専攻では、建築物、都市、道路、橋梁、ダム、港湾、船舶、再生可能エネルギー発電などの地球規模でのインフラストラクチャ―を対象とし、物流や防災、人の暮らし、エネルギー問題などの地球規模の課題を解決するための総合的なエンジニアリングを扱います。規模が大きなインフラストラクチャ―や人工物を用いて人の生活を支えるという点で、三つの工学は共通の視点があり、また基本教育の部分も共通しています。
その中で船舶海洋工学コースは、世界と繋がる海を扱うという点で、国際的感覚に優れたグローバルなリーダー人材を培うことに一層の力点が置かれています(教育システムのページ参照)。洋上風車など海洋再生可能エネルギーを用いたゼロエミッションは世界共通の課題です。国際商品である船舶は世界の物流を作ります。日本で設計・建造した船舶であっても全世界いたるところに寄港します。このように船舶海洋工学の対象を考えると、常に世界を意識した設計が要求されます。そこで活躍する世界規模のリーダーの育成は、船舶海洋工学のような総合的な学問を指向する学科に課されてきた課題でもあります。前身の造船学科の歴史は長く(歴史ページ参照)、大阪大学に工学部が設置された当時から存在した学科でもあります。それだけ大阪に馴染みがあり、かつ国家成立に必要な学問でもあります。当コースの評判の高さは卒業生の進路(進路ページ参照)や長い歴史がそれを証明しています。
学問上の分類で捉えると、船舶海洋工学コースは総合工学に分類されます。「総合工学」とは、様々の分野横断的な工学体系や知識を用いて、船舶や海洋に係わる問題解決をはかる学問ということを意味します。機械工学、電気工学、化学工学など従来の領域型分野とはこの点でアプローチが異なり、総合工学では学際的・複合的な領域をより多く扱うこととなります。このようなコースは日本全国でも大変珍しく、船舶海洋工学を学ぶことができる大学は日本全国を見渡して珍しく特徴があるものです。