国際共同研究体制 - 海外パートナー
海外派遣状況【橋本博公(大阪大学・助教)】

研究計画

強非線形水波と浮体の相互作用の数値流体力学的解析法の構築に向けて、まず現状の数値計算手法の調査と高精度化に向けて解決すべき課題の抽出を行う。平成25、26年度はECNに長期滞在し、ECNグループの協力を得てGPGPUを利用した大規模粒子法(MPS法)による計算コードを完成させる。さらに、構築した計算手法を用いて、衝撃波浪による浮体の耐波性能推定を行い、模型実験結果との比較検証を行うことでその有用性を確認する。平成26年度後半は、構築した計算手法の改良、さらには弾性体挙動の運動方程式を組み込みことで強非線形流体・構造連成問題に適用可能な計算コードに拡張する。

これまでの進捗状況

2012年12月に、フランス ECN を訪問し、Ferrant 教授、Touze 教授らと研究の打合せ、並びに長期在外研究における準備を行った。国内での頭脳循環プログラム運営委員会に参加し、その報告を行うとともに、研究における達成目標を確認した。2013年3月に日本を出発し、順調に ECN・Touze 教授との共同研究を行い、2014年3月10日に帰国予定である。滞在レポートはホームページにも掲載している。また、2014年3月30日から大阪で開催される国際会議(The 29th IWWWFB)にて研究成果の一部を発表する予定にしている。

派遣先(国・地域名、機関名、受入研究者) 派遣日数(予定を含む)
2012年度2013年度2014年度合計
フランス・ナント、ECN、Fluid Mechanics Laboratory、Prof. Pierre Ferrant、Prof. David Touze 25日342日-367日
ノルウェー・トロンハイム、NTNU、AMOS、Prof. Odd Faltinsen --20日20日



海外派遣状況【生島一樹(大阪府立大学・博士課程学生)】

研究計画

大規模構造物の強度・応答解析に有限要素法を適用する場合、一般には膨大な未知数となるため、精度を下げることなく計算時間を短縮することが絶対に必要である。現在取り組んでいる「理想化陽解法有限要素法」はその‘夢’に近づきつつあることが示されている。この計算法をさらに高度化、汎用性のあるものにし、流体・構造連成問題にも適用できるようにする。平成24年度、25年度前半は、ノルウェー NTNU の Moan 教授との共同研究として計算スキームの高度化を行い、平成26年度は大規模な流体・構造連成問題解析法として、理想化陽解法有限要素法の拡張について研究を行う。

これまでの進捗状況

2012年12月に、ノルウェー NTNU を訪問し、Moan 教授と研究の打合せ、並びに長期在外研究における準備を行った。国内での頭脳循環プログラム運営委員会に参加し、その報告を行うとともに、研究における達成目標を確認した。2013年2月下旬(2月25日)に出発し、半年間の予定を終えて8月末に帰国した。その後、博士の学位を取ることに専念しているが、学会の秋季講演会でも在外研究の成果の一部を英語で講演した。博士の学位取得後の2014年5月から再度 NTNU へ半年間滞在し、Moan 教授との共同研究を再開する予定である。

派遣先(国・地域名、機関名、受入研究者) 派遣日数(予定を含む)
2012年度2013年度2014年度合計
ノルウェー・トロンハイム、NTNU、CeSOS、Prof. Torgeir Moan 42日152日180日374日



海外派遣状況【飯島一博(大阪大学・准教授)】

研究計画

洋上風力発電プラットフォームを具体的な研究対象浮体構造物とし、各種の動的荷重に対する構造物の応答を流体・構造連成問題として計算できるように、既存の境界要素法・有限要素法をベースとした数値計算コードの拡張・高度化を行う。国際共同研究の相手先は、前半がフランス ECN、後半がノルウェー NTNU である。ECN では、流体・構造連成計算法の高度化に注力し、NTNU では、洋上プラットフォームへ船舶が衝突するシナリオを想定し、衝突ならびに被衝突後の崩壊挙動シミュレーションを行う。また、構造物の崩壊挙動に関しては、実験も行う予定である。

これまでの進捗状況

2012年12月に、フランス ECN を訪問し、Ferrant 教授、Touze 教授らと研究の打合せを行った。国内での頭脳循環プログラム運営委員会に参加し、その報告を行うとともに、研究における達成目標を確認した。2013年4月に日本を出発し、半年間の在外研究を終えて2013年10月3日に帰国した。ECN での共同研究成果の一部は学会の秋季講演会で英語にて講演した。2014年3月までは、学生の研究指導や学内外の各種委員会の仕事を行っているが、在外研究の後半として2014年4月からは NTNU に半年間滞在する予定で、その準備を行っている。

派遣先(国・地域名、機関名、受入研究者) 派遣日数(予定を含む)
2012年度2013年度2014年度合計
フランス・ナント、ECN、Fluid Mechanics Laboratory、Prof. Pierre Ferrant 6191日-197日
ノルウェー・トロンハイム、NTNU、AMOS、Prof. Torgeir Moan --180日180日



海外派遣状況【千賀英敬(大阪大学・助教)】

研究計画

ノルウェー NTNU の Larsen 教授の研究グループとの共同研究として、海洋資源開発に用いられる長大弾性管の3次元複雑挙動の高精度推定法の確立を目指す。特にVIV (Vortex Induced Vibration) の低減は構造物の安全性の観点から重要であるので、VIVの低減策の実用化を最終目標とする。特に NTNU の先端的流力弾性解析法を参考にしながら、有限要素法と離散渦法の組合せによるハイブリッド計算法の構築を行う。平成25年度の後半からほぼ1年間長期滞在し、研究に専念する。学内の事情から一旦帰国するが、平成26年度に再度訪問して関連研究の総括を行う。

これまでの進捗状況

2012年12月に、ノルウェー NTNU を訪問し、Larsen 教授と研究の打合せ、並びに長期在外研究における準備を行った。国内での頭脳循環プログラム運営委員会に参加し、その報告を行うとともに、研究における達成目標を確認した。その後、所属する研究室の事情や国内での実験スケジュールの関係で、在外研究への出発が遅れていたが、2014年1月に NTNU へ向けて出発し、Larsen 教授との共同研究をスタートさせた。滞在は2015年3月までの予定である。

派遣先(国・地域名、機関名、受入研究者) 派遣日数(予定を含む)
2012年度2013年度2014年度合計
ノルウェー・トロンハイム、NTNU、AMOS、Prof. Carl Martin Larsen 773日270日350日



海外派遣状況【笹 健児(神戸大学・准教授)】

研究計画

巨大津波や台風による荒天波浪が来襲したとき、湾内の船舶を素早く避航させるための方策について、数値シミュレーションを基にした研究を行う。そのためには、強非線形波浪によって浮体に働く流体力や、係留索・チェーンに働く動的荷重を高い精度で予測できることが前提条件となる。そこで、荷重に関する流体力学的研究、湾内への波の伝播を含めた数値シミュレーション法の研究をフランスECNとの国際共同研究として行う。平成26年度に長期滞在するが、それまでに数値シミュレーション法の概略は国内で構築できる予定である。

これまでの進捗状況

神戸大学からの派遣研究者の人選に難航したが、笹 健児・准教授を派遣研究者とし、神戸大学での承認を得たのち、2013年12月には主担当研究者である柏木教授と一緒に Norway, Trondheim を訪問し、Faltinsen 教授と研究テーマのこと、研究・住環境のことなどに関して意見交換をした。その後、長期在外研究の準備をし、2014年2月に NTNU へ向けて出発した。3月30日から大阪で開催される国際会議 (29th IWWWFB) で講演するために一時帰国するが、2015年の3月まで NTNU に滞在し、Faltinsen 教授との共同研究に専念する予定である。

派遣先(国・地域名、機関名、受入研究者) 派遣日数(予定を含む)
2012年度2013年度2014年度合計
ノルウェー・トロンハイム、NTNU、AMOS、Prof. Odd M. Faltinsen H26 360t -51日341日392日
大阪大学 地球総合工学専攻 船舶海洋工学大阪府立大学 航空宇宙海洋系専攻 海洋システム工学神戸大学 大学院海事科学研究科NTNU-Trondheim Norwegian University of Science and TechnologyECN Ecole Centrale de Nantes