班長 菊地 伸

自分の班について:
私達の班は、どんなロボットについて考えるか、という題材を決定するのにか なり悩んだ末最終的に盲目者行動支援ロボットについて考える事に決めた。
このロボット自体についての詳しい説明は、班のレポートに譲るとしてここで は、グループ内での考察から発表までの過程で私が感じたことを書きたいと思う。
私達がこのロボットについての考察において最も重視し、そして、最も悩まされ たのは、どの程度まで機能を充実させるか、という点だった。つまり、あまりに多 くの高性能な機能を取り付けることで‘高級‘過ぎるロボットになることや、逆 に、機能を減らしすぎて利用価値の低いになることを避けなければならなかった。 私達は、自分達が盲目者ならどの程度の機能が欲しいか、どの程度の価格なら買い たいと思えるか、という事まで考え、自分達なりにそのバランスの取れたものにた どり着いた・・・・はずだったが、やはり、発表の後の質疑応答では、そこの部分 をかなり突かれた。この部分は、さらに考える必要があると感じたと同時 に、この議論にはっきりとした答えなどあるのだろうか、との思いも持った。
ここで、一つ私がこの基礎セミの中で最も驚かされたことを書きたい。それ は、私達が、先に出たバランスを取るために盲目者にはロボットと同時に杖を使っ てもらう、という前提のもとで思考を繰り返していた時のことだ。ここで、私は、 杖という道具が私達がロボットの機能を考える上で、予想以上に大きな役割を果た してくれることに気付かされた。例えば、最初はこのロボットに歩行補助機能を 取り付けることを考えていたが、盲目者は、杖を使うことで補助機能が無くても 自分で歩く事ができる。このことを考慮に入れることで、ロボットが高価なもの になり過ぎることを防ぐことに成功しただけでなく、ロボットの重量化、大型化を 防ぐことにも成功した。この様に、杖というどこにでもあるような道具が、ロボッ トの機能の代わりにもなり得るということに驚かされたとともに、この辺りに何か 人間とロボットの共存のヒントが隠されているのではないだろうか、と思った。

他の班について:
自分の班のメンバーについてはもちろんだが、他の班の人達の発想やアイデア に感心させられ、驚かされた事も多くあった。掃除ロボットをエレベーターと連結 させるという考え、手話ロボットにおける、言葉ー手話の変換のシステムなどは、 自分では思いもつかないような発想であり、特に興味深かった。
どの班も(自分の班も含めて)ロボットとして不十分な点があったのは確かだ が、どれもおもしろいもので斬新な発想に感じられるものばかりだった。今回の 基礎セミだけにとどまらずにずに、これからももっと多くの人の考えを聞いたり、 自分の意見を出したりする機会を持ち、自分の世界を広げていきたいたいと思った。



木下 昭人

この盲導犬ロボットを考えるにあたって一番学べたことは、新しい製品の案を ゼロから考えることの難しさであると思う。まずどのような製品が必要であるの かということを明確にし、そしてその需要にこたえるためには、どのような機能 を搭載させるのが適当であるのかということの決定が難しい。また、その機能が 現在可能なもので実現するということもまた難しかった。このことを実感したと きに現在ある製品というのはすごく考えられているのだなと思い、また将来製品 をつくる立場になったらそのようにうまくできるのかという不安もつのってきた。 次に思ったのは、自律ロボットの難しさと必要性である。まず自律ロボットの 難しさは、黒板消しロボットを考えたときに実感した。人間が残しておきたいと 思った部分をどのようにロボットが認識するかなどは想像もできない。必要性に ついてはロボットの案を考える段階で、かなり悩むことが多かった。いろいろな 案はでてくるのだけれども、どれも「人間でもできるし、人間がやったほうが簡 単だ。」という結論に至ることが多かった。
盲導犬ロボットについては、主としてカーナビのシステムを用いている。この ことによって盲導犬にはできなかった「知らない場所への移動」も可能になって いると思う。盲導犬よりも優れている部分もあるが劣っている部分としては、瞬 間的に危険を察知した場合(車などが突っ込んで来た場合)は盲導犬ならば瞬時 に盲人を引っ張って危険を回避するが、盲導犬ロボットの場合は、音による合図 なので盲導犬よりも少し時間がかかる(盲人の反応時間)というマイナス面の事 実もあると思われる。しかしこの盲導犬ロボットにより盲人が従来よりも気軽に まちなかへ出かけることができるであろう。
ぼくたちが今回考えた盲導犬ロボットは、「ロボットであるのか?」といわれ れば、疑わしい部分はあるが、このロボットが考えどうりに実現できるのであれ ばそれはかなり役にたつものだと思う。
性能のいい自律ロボットはまだまだ先のことになると思うけど、少しずつでも 自律ロボットをつくっていくことが技術の発展になるとおもう。



根木 俊輔

今回この講義を受けてみて一番感じたことは自分の議論の 進め方の荒さだった。今までこのような本当にこれから取り組 まれるであろうものをある程度まで構想をねったことなど無か ったが、思っていなかった。しかしやってみていかに自分がそ のような議論に対して子どもじみた発想しか持ち合わせていな かったことがよくわかった。機能・性能果てはコストまでの兼 ね合いまで考えなければいけないところはさながら企業で製品 開発会議をしているようだった(そんな仰々しいものでもなか ったが)
あと学部の違う、考え方も違う人たちと意見交換しあって 取り組めたことも非常に大きかった。これは私の知識見聞を広 げてくれたし新たな積極性をもたらしてくれたように思う。
講義自体はあまり今のロボット事情を知りたかった私の 知的好奇心は満たしてくれはしなかったが違う楽しみを与えて くれたし、何よりも私の研究生活の第一歩を踏み出させてくれ たし(笑)大変内容だったと思う。



登 健志

今回の集中講義は率直にいって、自分が事前に予想していたものとは全く違っていました。自分たちでオリジナルのロボットを考えろと言われたときはできるはずがないと大して考えもしないうちからほとんどやる気はありませんでした。そして、いざ自分のチームで集まってロボットを考案することになっても、初日に出てきたアイデアというのは実際に製品にするには解決できなかった問題が残ってしまい、一つの製品を作ることの難しさを改めて認識することになりました。自分たちのチームが考えたロボットは自分1人ではおそらく思いつくことはなかったと感じます。それは、自分が今まで思っていたロボットというのは寧ろ「機械」であり、その境界線がわかりませんでした。それが納得までいかないまでも理解をしましたが、染み付いたイメージが変わりきるまでにはいかなかったからです。講義自体はもっといろんなロボットの種類やその基本的な構造の説明、普通知られていないロボットの紹介を期待していたので多少残念でした。しかし、自分たちで製品を考え、又各々の班同士でのディベートをする機会に恵まれた事はとてもよい経験ができたと思います。





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