班長 松本 知浩

私にとってこのセミナーはいろいろなことを学ばせてくれるものでした。その中でも一番印象深かったのはグループで期日までにそれなりの案を考えてくることにありました。おそらく先生の狙いでもあると思うのですがこのことにより班員の意見が違うこと、そのためにまとめなければならないこと、それの繰り返しにより慣れていくことがまだなんとなくですが分かった気がします。このちょっとした研究により何もしていなかったときよりも何年後かにするだろう研究がどんなものなのかが少し見えてきたように思います。あと講義は本当に少なくロボットについてもっと教えてもらえると思っていたので少しは残念だったのですが実際グループのメンバーで調べ既存、また研究中の技術を知ることはもしかしたら講義で得るよりも自分たちの身についたかもしれません。だからこの方法はとてもよかったと思います。



伊藤良彰

私達A班が最初に出した案は、身体障害者へのリハビリを目的とするものであった。そのためのロボットの概略も大まかにいくつか出された。寝たきりの患者の起き上がりを補助するものであり、発展的な用途として、患者の入浴などの作業を補助することへのアプローチもなされた。しかし、技術的な問題に話が向かおうとしたところで、機械に対する患者の拒絶反応について意見がなされ、私達はロボットの用途について考え直さねばならなくなった。そして修正案として、「患者の行動やリハビリにおいて、あくまで補助的な役割を果たすもの」が提案された。これは自律走行ロボットという定義から外れてしまうかも知れなかったが、その提案によって製品についての案がかなり明確になってきた。そして結果、私達は「手話発話者と言語発話者のコミュニケーションを簡単にするもの」を提案することになった。技術・倫理・心象的なメリットなどを鑑みて、結果は良いものであったと言えよう。コストに関しては、使用予定の器具についての情報から考えて、私は大丈夫ではないかと踏んでいる。
もし今回の実習が個人個人でやるものであったならば、技術・コスト・もしくは倫理のみに視点が偏ってしまい、今回の成果は挙げられなかっただろう。今回の実習型の授業で私達が最も学んだ点は、この「多視点での検証」であろう。また短期間に本格的なリサーチやディスカッションがなされたことで、私達は実社会で仕事を進める際の、アドバンテージを得たとも言える。今回のセミナーは、まさに理想的な環境であったと言えよう。ただひとつ難を言うならば、1週間弱という短期間で、かなり綱渡り的なスケジュールで事を運ばねばならなかった点である(特に2回目と3回目の授業間隔が1日と、非常に短かったために、多くのグループがかなりの苦労を味わったであろう)。次の受講生には、もう少しゆとりのあるスケジュールで作業ができるようにすれば良いのではないか。





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